1学期も後半に入り、子どもの良い面だけでなく、学習や生活面での「課題」も見え始めてくる時期ではないでしょうか。
「何度言っても身支度をしない」 「授業中の私語が止まらない」 「ルールを守れない」
そんな子どもを前に、指導の難しさを感じ、時には焦りや苛立ちを覚えてしまうこともあるかもしれません。そんなとき、ぜひ試していただきたいのが、行動分析学の理論である「シェイピング(行動形成)」というアプローチです。
シェイピングとは・・・。
一言で言えば、「最終目標を一気に求めず、階段を一段ずつ登るように、スモールステップで目標に近づけていく方法」です。
私たちは無意識のうちに、子どもに「完璧な状態」を求めてしまいがちです。しかし、それができない子どもに対して「なぜできないんだ」と叱責しても、行動は改善しません。それどころか、生徒の自己肯定感を下げ、反発を生む原因にもなります。
シェイピングでは、目標を細かく分解し、「少しでも、目標に近づく行動ができたら、その場で認めて褒める」というステップを繰り返します。
〔学校現場での具体例〕
【例1:身支度をしない子ども】
・×NGな対応:「エプロンや連絡帳を所定の位置に置くまで、そのことをやらせ続ける」
・〇 シェイピング: 1. まず「カバンを開けたこと」を褒める。 2. 次は「連絡帳を出せた(持った)こと」を褒める。 3. 最終的に「身支度」へ繋げる。
【例2:授業中に立ち歩いてしまう生徒】
・ × NGな対応:「授業中、1回も席を立つな」と厳しく接する。
・ 〇 シェイピング:①最初の5分間、席に座っていられたら「よく集中しているね」と声を掛ける(認める)。②次の10分、その次は15分……と、徐々に基準を伸ばしていく。
〔3つのポイント〕
1 初期設定は「低すぎる」くらいでいい
スタートのハードルは、その子どもが「確実にできるレベル」まで下げてください。
2 「できた瞬間」にフィードバックする
時間が経ってからでは効果が薄れます。その場での一言、あるいはすれ違いざまの「さっきの良かったよ」が、子どもの次の行動を引き出します。
3 ステップを戻すのは「指導の失敗」ではない
次のステップに進んで失敗したら、基準が高すぎたということです。また一つ前のステップに戻れば良いだけです。焦る必要はありません。
子どもの行動を変えるのは、感情的な叱責ではなく、「適切なステップのデザイン」と「ポジティブな関わり」です。
先生方の心の余裕が、生徒の確実な変容を生み出します。ぜひ、日々の学級経営や教科指導のヒントにしてみてください。
令和8年度の七飯養護学校では「子どもを真ん中に」を合言葉に、保護者や地域の皆様と共に歩む学校づくりを進めてまいります。
学校経営方針を具体化するため、教職員のプロジェクトチームを中心に本年度の教育活動のグランドデザインを策定しました。