連携協議会で発言した1学期の成果と今後の展望を共有します。
1 1学期の取組と成果(交流・体制構築)
① 交流及び共同学習の広がり
・ 小・高への広がり:中学部だけでなく、小学部(藤城小学校)や高等部(七飯高校)との交流が実現し、今後も計画されています。
・ICTの活用と間接交流:天候で中止となった体育大会の感想を道教委noteへ投稿するなど、ICTを活用した間接交流を行いました。
・学校祭での成果:七飯中学校学校祭にて、手話歌での交流を実施しました。単元計画に位置付けた継続的な取組のほか、2年生が学校祭を見学するなど教育課程に系統性が生まれています。
・居住地校交流の推進:保護者ニーズに応じた交流(七飯小など)がスタートしています。
② 教員間の連携・研修
・教員の相互交流:七飯中学校の先生を本校校内研修の講師としてお招きするなど、学校を超えた教員の行き来・学び合いが実現しています。
・合同研修会の実施:外部講師を招き、PBS(ポジティブな行動支援)に関する実践発表を行いました。町内の小中学校の先生方にも多数ご参加いただき、考え方を共有できました。
2 事業終了(残り約6ヶ月)を見据えた次年度への展望
本事業の終了後も、これまでの成果を「自走」させていくため、理念と仕組みの再整理を進めていきます。
・合同研修会の継続検討:町内の先生方と顔の見える関係を維持し、地域全体で特別支援教育への理解を深めるため、町内の学校と次年度の年間計画への位置付けを検討していきます。
・ CO(コーディネーター)派遣・地域支援の枠組み:現在行っている中学校へのCO出張支援などを、予算や枠組みに縛られず継続できる方策を町教委・道教委と協議していきます。
・「インクル推進連絡会」の位置付け整理:新たな取組を増やすのではなく、これまで積み上げた実績や連絡会の役割・運営体制(町教委との連動など)を整理・確立していきます。
本事業を通して、近隣校との素晴らしい交流や教員同士の学び合いなど、着実な教育的成果が生まれています。残り6ヶ月間でこれまでの取組をしっかり整理し、次年度以降も持続可能な「インクルーシブな地域・学校づくり」を目指します。引き続き、子どもを真ん中にワクワクする取組をお願いします。
児童生徒に「なんで間違えたの?」と尋ねても、うまく言語化できなかったり、「怒られている」と感じて黙り込んでしまったりします。
(1)教師が観察すべきポイント
① 問題の意味が理解できていないか?(文章題の言葉、指示語など)
② 前提知識・概念(数の大きさ、時間の概念など)が抜けていないか?
③ 集中力・注意力の限界(問題数が多すぎる、視界に不要な情報が多いなど)か?
④ 手先の不器用さ(微細運動)で書く作業自体に負荷がかかっていないか
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(2)「なぜ」ではなく「どこで」つまずいたかを特定する
学習のプロセスを細かいステップ(スモールステップ)に分解し、「どの段階まではできていて、どこでつまづいているか」を見極めます。
【例:たし算の文章題で間違えた場合】
① 文字を読むことはできているか?
② 「合わせて」「残りは」などのキーワードの意味がわかっているか?
③ 式を正しく立てられているか?
④ 計算自体は正しくできているか?
つまずいている1箇所だけをピンポイントで補強することで、子どもの負担を最小限に抑えられます。
前号までに掲載した育成すべき資質・能力に迫る上で、欠かせないのが、学習の基盤となる資質・能力(航海の例でいうと、船の基本性能・乗組員の基礎体力)です。
・言語能力(コミュニケーションの力):「絵カードや言葉で自分の気持ちを伝える」「相手の指示や気持ちを理解する」力。航海でいえば、『船員同士の正確なサインや通信』です。
・情報活用能力(ICT・道具の活用力):「タブレットで意思表示をする」「スケジュール(視覚支援)を見て見通しを持って行動する」力。航海でいえば、『コンパスやタブレット端末を使いこなす技術』です。
・問題発見・解決能力(「どうしよう?」に気づき動く力):「服が濡れたら着替える」「手順書を見ながら次の作業を自ら進める」力。航海でいえば、『船のトラブルに気付き、自分でロープを締め直すような対応力』です。
どんなに立派な大船(素晴らしい授業)を用意しても、乗組員の基礎体力や船の基本性能(この3つの力)がグラグラだと、荒波の社会へ漕ぎ出すことはできません。「すべての航海を底から支える、船の頑丈な船底(デッキ)そのもの」と言えます。
この3つを点検しながら、日々の授業や児童生徒とのかかわりを考えていきましょう。
4 カリキュラム・マネジメント=「羅針盤と航海計画」
この複雑な航海全体が迷子にならないよう、学校全体でコントロールするのが「カリキュラム・マネジメント」です。「目的地(資質・能力)」に向かって、適切なルートが組まれているか?各教科のつながり(教科横断)はスムーズか?地域の資源やICT、教員のチームワークは最適に配置されているか?常に「航海計画をチェックし、アップデートし続ける羅針盤」の役割を果たします。
5 教科等横断的な視点=「バラバラの知識を『航海術』へと統合する」
国語、算数/数学、理科、社会……これらは航海に必要な「パーツ(天気予報の読み方、計算、歴史の知識など)」です。しかし、実際の海では「今は理科の時間だから、天気の知識だけで乗り切ろう」とはいきません。嵐が来たら、天気を読み(理科)、風の抵抗を計算し(算数/数学)、仲間に的確に指示を出す(国語)というように、すべての知識を総動員(教科横断)しなければ乗り越えられません。各教科の学びをバラバラで終わらせず、「あ、あの教科でやったことが、ここでつながるんだ!」という体験をつくることで、知識は初めて生きた「航海術」になります。
先週号と今週号をまとめると、以下のような関係になります。
| キーワード | 航海のたとえ | 学校での役割 |
| 育成すべき資質・能力 | 目指す目的地 | 【ゴール】どんな力を育てるか |
| 主体的・対話的で深い学び | 航海そのものの質 | 【授業改善】どうやって深く学ぶか |
| 個別最適×協働的な学び | 2つのエンジン | 【指導法】「個」と「集団」をどう活かすか |
| 教科横断的な視点 | 知識を統合した「航海術」 | 【見方・考え方】教科の枠を超えて社会とつなぐ |
| カリキュラム・マネジメント | 総合的な航海計画 | 【学校経営】学校全体でどう支えるか |
「カリキュラム・マネジメント(計画)」のもとで、「教科横断(連携)」を意識し、「個別最適・協働的な学び(エンジン)」を駆動させ、日々の授業を「主体的・対話的で深い学び(質の高い航海)」へと変えていく。すべては、子どもたちが未来を生き抜く「資質・能力(目的地)」を手に入れるためです。
教育用語は難しく見えますが、目指すところはシンプルです。
学校全体がひとつのチーム、組織となり、この素晴らしい航海を日々進めていきましょう。
「主体的・対話的で深い学び」や「個別最適な学び」など、多くの専門用語が飛び交っています。「結局、これらはどうつながっているの?」と感じることもあるかもしれません。
これらは決してバラバラのものではなく、すべてが子どもたちの成長という「一つのゴール」に向かってつながっています。今日は、それを「未来への航海」に例えます。
1 育成すべき資質・能力 =「目的地」
私たちが目指すゴール、それは子どもたちに「育成すべき資質・能力(生きて働く知識・技能、思考力・判断力・表現力、学びに向かう力・人間性)」を育むことです。
航海にたとえるなら、これは「目指すべき新大陸(目的地)」です。荒波の未来を生き抜くために、どんな力を身に付けさせて送り出すか。すべての教育活動は、この目的地にたどり着くためにあります。
2 主体的・対話的で深い学び =「航海そのもの(学びの質)」
目的地に向かう船の上で、子どもたちはただ座っているだけでは力はつきません。
自分で進路を考え(主体的)、仲間と知恵を出し合い(対話的)、物事の本質に迫る(深い学び)。この「ワクワクする航海そのもの」が、主体的・対話的で深い学びです。授業をこのような「質の高い経験」にすることが重要です。
3 個別最適な学びと協働的な学び=「進み方のエンジン」
では、その航海をどう支えるか。エンジンとなるのが、この2つのアプローチの往還です。
· 個別最適な学び(ソロ・モード):
子どもたちの興味や習熟度は一人ひとり違います。それぞれの現在地に合わせて、自分に合ったペースや方法で力を蓄えさせます(自分に合う道具や、個人トレーニング)。
· 協働的な学び(チーム・モード):
一人で学んだ持ち味を活かし、多様な仲間と力を合わせて集団で課題に挑みます(チームでの操船訓練)。「個」で深め、「協働」で広げる。
この2つが交互に機能することで、航海は力強く進みます。
9月の地域参観日に参加いただいた皆様、ありがとうございました。
令和8年度の七飯養護学校では「子どもを真ん中に」を合言葉に、保護者や地域の皆様と共に歩む学校づくりを進めてまいります。
学校経営方針を具体化するため、教職員のプロジェクトチームを中心に本年度の教育活動のグランドデザインを策定しました。