ブログ

2026年7月の記事一覧

#35 #27褒め方を工夫する×#34言語活動の充実を考える(令和7年11月25日)

 今年度の重点のひとつに、「保護者や地域と直接の関わりによる、子どもたちの学びの機会を広げ、感謝を伝え合う教育活動の推進」があります。

 本校高等部では、学校運営協議会での御意見を踏まえ、地域食堂や沖縄民謡など、地域の方との連携に基づいた教育活動が充実してきています。

 この取組の良いところは、活動の振り返りが充実していることです。活動をやって終わりではなく、地域の人から(感謝や激励の)メッセージをもらったり、生徒がお礼を書いたりするなど、感謝を伝え合う活動になっています。

 この方法はさらに進化し、高等部祭の時には、保護者や地域の方の感想を動画に撮って事後学習に用いるほか、小学部や中学部の学習発表会でも同様の取組を行っています。文字を見て分かる子どももいれば、映像を見れば分かる子もいて、個別最適な学び(指導の個別化)が図られています。

 #27でも触れましたが、多様な人から多様な方法で称賛されることで、子どもの自己肯定感は高まります。#34を充実させる上で、伝えたいというマインドが育ち、書いたり、話したりすることへの意味付けが出てきます。

 知的障がいのある子どもの学習上の特性に配慮した、生活に結びついた内容であること、繰り返しの学習であることなど、本事例から多くのことを学ぶことができます。掲示物などを使って子どもと関わり、言語能力が高まることを期待しています。

#34 言語活動の充実を考える(令和7年11月17日)

 言語活動の充実を図る上で、大切なことは、その前提となる言語環境を整えることです。 学校生活全体における言語環境の整備としては、例えば、教師との関わりに関係することとして

①教師は正しい言葉で話し、黒板などに正確で丁寧な文字を書くこと

②校内の掲示板やポスター、児童生徒に配布する印刷物において用語や文字を適正に使用すること

③適切な言葉を使って簡潔に分かりやすく話すこと

④より適切な話し言葉や文字が用いられている教材を使用すること

⑤教師と児童生徒、児童生徒相互の話し言葉が適切に行われるような状況をつくること

⑥児童生徒が集団の中で安心して話ができるような教師と児童生徒、児童生徒相互の好ましい人間関係を築くことなどに留意する必要があります。

 本校・分校とも学習発表会に合わせて、②校内掲示なども充実しています。掲示物を使って⑤や⑥などに取り組み、言語活動が充実することを期待しています。

#33 ある学校のすごい話(令和7年11月10日)

 ある研修会で聞いたすごい学校の話を紹介します。その学校では講師を呼んで校内研修を実施する際、その講師から研修の2ヶ月前に研修資料をもらうそうです。資料だけでなく、関連する書籍、論文などを講師から指定してもらい、職員全員が読み込みを行うそうです。

 そして研修当日、例えば90分の研修であれば、冒頭の20分程度で講師の話を終え、その後の60分は先生方が講師に質問をぶつけ、暗黙知を形式知に変えたり、質問に関する考え方などの共通理解を図っているそうです。

 そして最後の10分は講師に話し足りないことを説明してもらうそうです。この学校が行っている研修のスタイルは、一般的な受講型の研修に比べると、学びの質が異なると思います。このスタイルを経験した講師はタジタジになったと話していました。

 この学校の特徴は、教職員の自主・向上性と同僚・協働性が高く、学校全体の教育実践の方針に教員個人の教育実践が位置付き、チームワークを考えながら個人の能力を発揮している状態であり、教職員一人一人の意識や組織力の高さは言うまでもありません。同じ時間をどう使うか、研修や会議の持ち方を考えさせられる機会となりました。

#32 学校の組織力向上を考える(令和7年11月4日)

本校・分校の職員会議で話した内容です。

 この半年を振り返ると、本校では、文科省のインクル事業で素晴らしい交流及び共同学習や、地域食堂と温かみのある連携など。

 また、分校では、石別大運動会の参加種目の拡大や、今金町での居住地校交流など、これまでの取組が充実したものもあれば、新たな取組となったものがある。

 改めて先生方への感謝をお伝えしたい。

 今年度も残り、半年を切った。本校・分校の素晴らしい教育活動を如何に持続可能なものとし、発展させていくか。その際、今年度の重点である「チームで」というファクターを通して評価していくことが重要であると考えています。

 「チームで」=集団を意味しますが、今年度の先生方の取組の様子から、本校では、様々な背景のある子どもたちに対するケース会議が行われ、困難を解決するための建設的な話し合いがもたれていた。また、分校では、あおいそらのコンサルテーションを通して、子どもたちへの指導・支援が充実してきたことは、評価すべき内容と考えている。

 ここまで個にスポットを当てて、子どもたちのために取り組んでいる学校は少ないのではないか、本校・分校とも校長として誇らしく思うと同時に、次のステージ

・全職員が学校経営に主体的に取り組む段階

・全職員でより組織的に取り組む段階

にチャレンジするべきではないかと感じている。

 評価の話に戻りますが、学校では一般的に、授業や行事などその時々の評価や、時期に応じて実施する年度末評価、学校評価があります。これらの評価は、そのものの善し悪しを評価したり、具体的に改善することには適していますが、組織そのものを評価することは難しいという側面があります。

 どういう組織が、望ましいか。それは、令和の日本型学校教育などを踏まえると、変化の激しい社会、多様化する様々な問題に対応できる組織です。学校は従来から鍋蓋式の組織と言われることが多いのですが、鍋蓋式の組織では、様々な課題を解決したり、変化を受け入れたりすることが難しいと言われています。

 今求められている組織は全ての教職員が自主性や向上心と同僚性と協働性を兼ね備えている、自走する学校組織です。それは、全ての先生が教職に対して、やりがいと幸福を感じるウェルビーングな組織を意味します。

 組織を評価するといっても、学校と一般企業では、その性格も異なることから、企業とは方式が異なります。そのため、早稲田大学の河村先生が開発した尺度を用いて本校・分校の組織の状況を分析し、可視化することやホワイトボード・ミーティングの手法を用いて、コミュニケーションを高めたり、経験値や暗黙知を標準化するなど、先生方の所属意識がさらに高まる「職員全員が活躍できる組織」を目指したいと思います。

 こうした取組は、学校教育目標や目指す学校像など、根幹部分の見直し、教育課程の改善や分掌業務或いは配置人数の見直し、PDCAを前提とした諸会議の実施やゆとり時間の確保など、検討すべきことは多岐に渡ることも想定されますが、チームで、子どもたちのためにあるべき組織の姿を共有したいと思っています。

#31 居住地校交流の取組を考える(令和7年10月27日)

 今年度から分校で実施している居住地校交流について紹介します。居住地校交流とは特別支援学校に在籍している子どもが、本来通うはずだった地域の学校と交流及び共同学習を行うことです。今回の取組は、保護者の意向はもとより、分校と相手校の先生方の協力、そして子どもの居住地である町教育委員会の全面的な支援(分校から居住地までの送迎、発達支援センター職員が子どもを支援、保護者との連絡調整など)で実現したものです。

 町教委の方に話を聞くと、「町の子どもは町で育てる!」「学ぶ学校(場)が異なっても、町の子どもには変わりない!」とのことです。

 こうした熱い想いのもと、実施された1回目の居住地校交流では、小学校の玄関をくぐることに長い時間を要しましたが、町職員を始めるとする大人の粘り強くも温かい対応と子どもたちの働き掛けにより、レクレーションや給食など有意義な活動を体験することができました。

 そして2回目の交流は、前回と比較にならないほどスムーズに学校に入り、体育の授業に参加し、給食を食べました。体育の授業では①ラジオ体操②柔軟体操③枕(クッション)投げ④転がしドッジボールで構成された45分の授業に参加しました。これは特別支援学校の課題である豊富な学習量が用意(#01と関連)されていて、我々も学ぶべきことがたくさんあると思いました。また、本児の支援に当たっている町職員の関わり方(#02と#23と関連)ティーム・ティーチングが素晴らしかったです。さらに#30でも触れたように、たくさんの見本があるので、列に並んで話を聞いたり、集団に合わせて行動したりする場面が多く、参観した保護者は本児の成長と就学前まで一緒に過ごした子どもたちと共に学べる環境を喜んでいました。

 本児は町教委から副学籍の扱いを受けています。教室には本児の机やロッカーも整備されており、学習環境も整ってきました。

 居住地校交流は全国的に進んでいますが、北海道の学校は広域分散型などの地理的条件から、実施しているケースは少なく、分校と町教委の取組が最先端です。

 今後、本校・分校に通う子どもの保護者が居住地校交流を希望する可能性もあります。「子どもたちのために」を合言葉に本事例から学び、成果や課題等を整理していけたらと考えています。

#30 集団の力を考える(令和7年10月21日)

 本校中学部2年生が七飯中学校の学校祭に参加しました。#22、#24で紹介した音楽の授業で取り組んだ手話歌「翼をください」です。中学校の生徒が作り出す(お手本があちらこちらにある)雰囲気もあり、普段の授業では、手話をしない生徒が手話をしたり、いつもより大きな動作をしたり、しっかりと歌ったり、本校の生徒も普段の音楽の授業の時よりも素晴らしいパフォーマンスを発揮していました!

 学校祭に向かうまでの単元にブレがなかったこともあり、これまでインクル事業で課題となっていた共同学習の側面を克服し、3観点で評価できる取組となりました。

 また、これまでの積み重ねがあるから、生徒同士が安心、信頼して関わり合うなど交流の側面もしっかり果たしていたことは言うまでもありません。

 これまでも触れてきましたが、まずは集団を重視した授業が基本であり、その上で個別に配慮することの大切さ、集団の持つ力の可能性を改めて感じた瞬間となりました。

#29 新たな取組を評価する(令和7年10月15日)

 本校高等部2年生が、今年度の新たな取組として、渡島振興局と町内の果樹園に御協力いただき、農福連携(りんごの葉摘)に取り組みました。

 本取組の良かったこととして3点。

 1点目は単元計画を立てて取り組んだこと。特別支援学校の十八番と言える事前学習では、オーソドックスな行き先や活動内容に留まることなく、七飯町の産業やりんごの品種など、様々な実態の生徒に適した事前学習であったこと。また、事後学習では単なる活動の振り返りにとどまらず、自分の言葉で手紙を書いたり、事前学習で調べた品種による味の違いを確認するなど、単元をとおした学習活動であったことが評価できます。

 2点目は#01でも伝えていますが、十分な作業量が保障されていたこと。実際に30分×2セットの授業でしたが、生徒はミルミル内に上達していきました。また、りんごの葉摘が難しい生徒には、落ちているりんごを拾うなど、個に応じた活動が提供されていたこと。その成果は果樹園の方へのお礼の場面で、ただ「がんばりました」というだけでなく、何が良かったのか、難しかったのは何かなど生徒が自分の気持ちを言語化していたことからも明らかです。

 3点目は様々な方から助言いただいている、体力を高める内容であったこと。計60分の立ち仕事をこなし、帰りの道中も歩いて帰ってきたこと。本物の作業体験をした生徒は自信と充実感に溢れ、頼もしい姿でした。

 これから期待したいことは、貴重な本物の経験を次年度の教育課程に反映していくこと、普段の作業学習の当たり前を見直すことです。貴重な経験をした先生方は、答えは地域にある、生徒の気持ちを揺さぶることが大切と感じられたのではないしょうか。今後の教育活動(教育課程)に「つながり」「つなげる」ことの大切さを学んだ1日でした。

#28 教育課程の改善・充実を図る(令和7年10月6日)

 早いもので、今年度も折り返しました。そんな中、9月26日には分校で、27日には本校で学校運営協議会を開催し、委員の皆様から貴重な意見を伺いました。

 分校は本校より早くCSに取り組んでいることもあり、石別地区の大運動会やトラピスト修道院のライトアップなど、様々な教育活動がすでに教育課程に位置付いています。

 本校は地域食堂との連携や沖縄文化に触れる学習など、昨年度よりも取組が充実してきています。

 CS委員は学校運営に関する意見を校長に述べることができます。

 分校の委員からは「ライトアップの時に紙漉き製品を置けないだろうか」、本校の委員からは「今年度の取組を継続できるようにしてほしい」と意見をいただきました。今年度に関しては、こうした取組を試行的に行うことになりますが、活動ありきではなく、様々な活動を通して子どもの資質・能力を高めていく必要があります。そのため、持続可能で発展的な取組となるよう、教育活動の成果を次年度の年間指導計画(教育課程)に位置付けてほしいと考えています。

※ 本校の学校運営協議会では、高等部の生徒が調理学習で作ったスイーツを委員の皆様に出してくれました♪生徒が自己紹介し、調理でがんばった点を説明するなど、委員にとっても生徒にとっても素敵な時間になりました!

#27 褒め方を工夫する(令和7年10月2日)

 子どもを褒めるときの方法は、望ましい行動をしたときに、①お菓子など具体物を使う②ハイタッチなど身体接触で褒める③言葉で褒める④トークンを使って褒めるなど、様々あります。この時注意してほしいのが、これらは、褒められた後、記憶にも記録にも残らない可能性があります。

 私は教員時代、支援ツールで有名な武蔵博文先生から教えてもらったのが、チャレンジ日記です。係活動や作業学習などでがんばったことに対して、子どもが文字で書いたり、シールを貼ったりします。そのチャレンジ日記を授業の場面で使ったり、家庭に持ち帰らせたりすると、学校でも家庭でも褒められる回数が格段に増え、がんばっていることなどが周囲の人に伝わります。また、記録に残るので、子どもが自分で見返す場面も出てきます(当時は紙面でしたが今はICTの活用もできるかも知れません)。ポイントはひとつのファイルに集約することです。

 ひとつの行動を多様な方法、多様な場面で、子どもを褒め、自己肯定感や学習に対するモチベーションを高めることが大切だと考えています。

#26 家庭への般化を考える②(令和7年10月1日)

 子どもたちの大好きな調理学習。私も教員時代よくやっていました。ホットケーキを作ったり、ドーナツを作ったり、子どもたちが喜ぶものをたくさん作った記憶があります。

 そんな調理学習ですが、河嶋淳子先生(医師を辞めて、重度自閉症の子どもを育て、愛媛県で長年にわたって独自の療育を実施)の療育センターを伺い影響を受けました。

 ざっくりというと、調理を通して「指先を育てる」「レシピを見て(読んで)指示に従う」です。

 子どもたちの中には、指先の器用な子もいれば不器用な子もいますが、低学年のうちから包丁やピーラーなど、実践的な調理器具を使います。包丁で切ったり、ピーラーで皮をむいたりすることは、結果も分かりやすく、子どもたちも喜んで取り組みます。

 調理器具をもつ「危なさ」は、子どもたちが一番理解しています(留意点としては、包丁やピーラーを研いで、よく切れる状態にしておくことです!切れない包丁を持つと力が入って危険です)。

 指示に従うという点では、例えば、炊飯や味噌汁づくりから始めました。水の量を間違えるとご飯も味噌汁も美味しくできません。レシピに書かれている〇合や〇CCの指示はあいまいさがなく、美味しくできる=結果も分かりやすいです。

 

 こうした活動は、家庭でも、保護者の手伝いにつながったり、将来の自炊にもつながります。ねらいを明確にして楽しく学習に取り組んでほしいと考えています。