ブログ

2026年7月の記事一覧

#60 子どもたちの笑顔を守る、私たちの「心のセルフケア」(令和8年6月8日)

 〜アンガーマネジメントのすすめ〜

特別支援学校の毎日は、予測不可能な出来事の連続です。子どもたちのパニックや、意思疎通がうまくいかないもどかしさに直面したとき、私たちも人間ですから、「イラッ」としたり、感情が揺さぶられたりするのはごく自然なことです。決して「怒ってはいけない」わけではありません。

大切なのは、その湧き上がった怒りの感情とどう付き合い、どうコントロールするか(アンガーマネジメント)です。私たちの笑顔と子どもたちの安心を守るための、簡単な3つのステップをご紹介します。

1 怒りのピークは「最初の6秒」:まずは深呼吸

脳が強い怒りを感じてから、理性が働き始めるまでに約6秒かかると言われています。この6秒を衝動的な言葉や行動で返してしまうと、子どもを傷つけたり、関係性をこじらせたりする原因になります。

 〇 実践:「あ、今イラッとしたな」と思ったら、心の中で数を数えるか、ゆっくりと深呼吸をしてください。相手(子ども)から少しだけ物理的に目線を外すのも効果的です。

2 「〜すべき」のハードルを下げる

私たちの怒りの背景には、往々にして「〜すべき」「〜するのが当たり前」という強い思い込みがあります。

 ・「静かに着席すべき」

 ・「言われた通りに行動すべき」

本校の先生方は、十分ご承知の通り、子どもたちにはそれぞれの特性や、その日の体調、環境による理由があります。「〜すべき」を「〜だといいな」「まあ、そんな時もあるか」に少し緩めてみるだけで、心のトゲが丸くなります。

3 私たちの「心のコップ」を満たす

水がなみなみと入ったコップは、少しの振動で溢れてしまいます。教職員自身の心に余裕がないと、子どもの小さな行動にも過剰に反応してしまいがちです。

 〇 実践:勤務時間が終わったらしっかり休む、同僚と「今日こんなことがあってね」と抱え込まずに話す(吐き出す)、自分の好きな時間を5分でも作る。先生方自身のケアこそが、最良の専門教育の土台です。

 

先生方が心身ともに健康で、笑顔でいること。それ自体が、子どもたちにとって最も安心できる環境になります。一人で抱え込まず、チームで補い合っていきましょう。#38~#45も参考にしてください。

#59 互いを尊重し、向き合うために気を付けよう!(令和8年6月3日)

自分の不機嫌な態度(ため息、乱暴な物の扱い、無言の圧迫感など)を周囲にまき散らし、他者に過度な気遣いや精神的苦痛を与える行為をフキハラ(不機嫌ハラスメント)といいます。

多くの場合、本人は「忙しくて心の余裕がないだけ」と無自覚なのが特徴です。

多忙を極める学校現場では、つい感情が態度に出てしまいがちです。しかし、職員室がピリピリした空気に包まれると、以下のような弊害が生まれます。

〇 報・連・相の遅れ:「今、話しかけたらまずいかな…」という躊躇が、重大なトラブルの共有遅れに繋がります。

〇 同僚性の低下:互いに顔色を窺い合うようになり、チームでの協力など、組織的対応が難しくなります。

〇 生徒への伝染: 先生方のストレスや緊張感は、子どもたちにも敏感に伝わります。

 

「自分の機嫌は自分で取る」ための3つの意識

教員も人間ですから、イライラや疲れを感じるのは当然です。大切なのは、それを「周囲にまき散らさない」というプロ意識です。

1 自分の状態に気づく:「今、自分はピリピリしているな」と自覚する。

2 一呼吸置く:感情的に反応しそうな時は、深呼吸や水分補給で「間」を作る。

3 言葉で伝える:余裕がない時は態度で示さず、「今ちょっと手が離せないので、15分後でもいい?」と言葉で伝える。

 

先生方が安心して笑顔で働ける職場であってこそ、子どもたちに良い教育を還元できます。互いに声をかけ合い、風通しの良い職員室を一緒につくっていきましょう。

#38~#45も参考にしてください。

#58 子供たちと向き合う時間を生み出すために②(令和8年6月1日)

~「働き方改革」を通じた質の高い教育活動の実現に向けて~道内編

今、他校でも「先生の持ち時間をどう生み出すか」という工夫が次々と始まっています。「これは助かるかも」と思える、具体的な事例をいくつか紹介します。

1 「手作業」を「システム」に任せる

事務的な負担を減らし、子どもと向き合う時間を1分でも増やす工夫です。

 ・「書く」負担を減らす:指導計画の作成をゼロから書くのではなく、よく使う文言を「プルダウン」で選べるようにシステム化し、作成時間を短縮。

 ・「探す・共有する」を楽に:会議資料など様々な書類をデータ化。PCでいつでも確認でき、重い紙の束を持ち歩く必要をなくす。

・ 「即時レスポンス」で解決:本校でも実施していますが、チャットツールを使い、ちょっとした相談や報告をその場で完結。会議のために集まる時間を減らしています。

2 「役割」を整理して、授業に集中する

「あれもこれも」ではなく、役割を絞ることで心のゆとりを生み出しています。

 ・ 思い切った分業制:「担任は作業学習に参加しない」というルールを決め、その時間を授業準備や記録に充てる体制を整えた学校があります。

 ・ 事務ルートの「ショートカット」:決裁のルートや、外部からの依頼を受けるルールを管理職が整理し、先生方の手間をカットしています。

3 一人で抱え込まず「チーム」で守る

一番の負担軽減は、困ったときに「助けて」と言える環境です。

 ・  「得意」を貸し借りする:「得意なことリスト」を共有し、ICTが苦手なら得意な先生に、教材作りが苦手なら得意な先生に、互いに頼り合える空気を作っています。

 

 ある書籍によると、「働き方改革=職場での勤務の仕方」というイメージが強いのですが、御自身の睡眠時間や余暇時間から逆算するという考え方が示されていました。個人差はありますが理想とされる平均7時間の快適な睡眠を取るためには、何時に帰宅して、就寝、起床するか、好きな余暇の時間を確保するために、何時に退勤するか。自身で働き方をコントロールすることが、「教職員の心の余裕→児童生徒の笑顔につながる」という考え方です。是非、参考にしてください。

#57 子供たちと向き合う時間を生み出すために①(令和8年5月25日)

~「働き方改革」を通じた質の高い教育活動の実現に向けて~道外編

1 「会議」のあり方を見直し、スピード感のある校内運営を

会議は情報共有のために重要ですが、長時間の会議は教材研究や児童生徒への授業準備の時間を圧迫します。そこで、以下のルールを徹底している学校があります。

〇 「説明」から「質問」へのシフト

 伝達事項は事前に資料を作成・共有します。担当者が事前準備を行い、会議参加者60人への説明時間を5分ずつ短縮することで、全体で300分の削減につなげています。

〇 会議の冒頭10分を「読解タイム」に

 開始直後に資料に目を通し、会議は「質問」からスタートしています。これにより、説明の重複を省き、定時終了を徹底しています。

〇 情報格差の解消

 時差勤務等で出席できない職員も、資料を読み込むことで出席者と同じ情報を得られる体制を整えています。

 

2 メリハリのある勤務スタイルの確立

「だらだらと残らない」意識を醸成するため、視覚・聴覚に働きかける工夫を行っている学校があります。

〇 マイ定時退庁日と「完全定時退庁日(金曜日)」

 個々の業務状況に合わせた「マイ定時」の設定に加え、金曜日は一斉に定時退勤を促している学校があります。週末のリフレッシュを充実させることで、月曜日からの活力へとつなげているそうです。

〇 環境と音での切り替え

 19時にはPCからBGMを自動で流し、退勤を促している学校があります。また、「クリーンデスク」を徹底し、退勤時はPCを閉じるだけで済むよう、日頃から整理整頓を徹底しているそうです。

〇 相談しやすい体制づくり

 「働き方改革推進担当」を明確にし、教職員が業務量や進め方について気軽に相談できる環境を作っている学校があります。

 

3 「チーム学校」としての業務平準化

誰か一人が業務を抱え込むことがないよう、役割の可視化を進めています。

〇 「実行プラン」と「ミッション」の共有

 「誰が・何を・いつまでに」行うかを全校で可視化している学校があります。

〇 ミドルリーダーの活躍

 担当教諭が明確なミッションを持つことで、チームでの業務分担(平準化)が進み、「ライン管理(適切な進捗管理)」による効率的な運営が可能になっている学校があります。

 

働き方改革の目的は、単に労働時間を短縮することではありません。無駄を省いて生み出された「時間」と「心のゆとり」を、子供一人一人へのきめ細やかな支援や、質の高い授業準備に還元することです。

これからも、教職員が一丸となって、より良い学校環境づくりに邁進したいと考えています。紹介した事例を参考に学部や分掌単位で実施し、効果が出た際には業務可視化シートに記入するなど、情報提供をお願いします。

 

※内田洋行教育総合研究所の「学びの場.com」には、授業で使えるツールが掲載されていますので、参考にしてください。

https://www.manabinoba.com/yakudatsu/

 

#56 教職員の対話を生む工夫(令和8年5月18日)

昨年度、いくつかの場面で「ホワイトボードミーティング®」という手法を取り入れました。また、ケース会議では毎回のようにホワイトボードを使用しています。

 

なぜ、会議にホワイトボードが必要なのか?

これまでの会議は、資料を読み上げ、決まったことを確認する「伝達型」が多く見られます。伝達型の会議にもメリットはありますが、ホワイトボードを使い可視化することで、次のようなメリットがあります。

◇ 意見の「空中戦」を防ぐ

 発言がその場で書き出されるため、「さっき誰が何を言ったか」が明確になります。意見が対立しても、ボード上で比較検討できるため、感情的な対立にならず、建設的な議論が進みます。

◇ 若手からベテランまで「全員参加」

 ボードを囲んで輪になることで、役職に関わらず誰もが意見を出しやすい雰囲気が生まれます。一人ひとりの経験やアイデアが可視化され、学校全体の財産になります。

◇ 「納得感」のある意思決定

 結論に至るまでのプロセスがすべてボードに残るため、参加した先生たちの満足度や実行力が高まります。

 

 教育課題が多様化する現代、必要なのは「みんなの知恵を出し合うこと」です。全ての教職員が学校経営に主体的に参加する上で、場面やねらいに応じて、会議のスタイルを工夫していく必要があると感じています。