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SEVEN☆RICE~ぼちぼちいこか

#50 20年後の彼らが、笑っていますように(令和8年4月6日)

子どもを真ん中に「伴走者」として歩み出す

・「ぼちぼち」と言いつつ、アクセルも踏みます(笑)

 新年度が始まりました。「今年度は、何が変わるの?」と不安な方もいるかもしれません。答えはシンプルです。「20年後の子どもたちの笑顔」のために、私たちの関わり方をアップデートしましょう。

・あの時、自分で選んだことが今につながっている

 昔は「できないことを、反復練習で克服させる(できるようにする)」ことに重きが置かれていました。20年後の未来を想像してみてください。科学技術の進歩により暮らしが大きく変わっている可能性が大です。そのような時代を生きる彼らに必要なのは、「やらされる力」ではなく、「自分で選ぶ力」です。

・教師は「教える人」から「コーチ」へ

 「さん付け」で呼び合い、一人の人間として尊重する。ICTなど言葉以外の方法も使いこなして、彼らの「言いたい!やりたい!」を支える。私たちは、彼らの人生の「最強の伴走者(コーチ)」としての役割が高まってきています。

#49 次期学習指導要領を見据えた「自立活動」のアップデート(令和8年3月23日)

~「資質・能力」を育むための、個別の指導計画の再定義~

次期学習指導要領に向けた議論が深まる中、私たち特別支援教育に携わる者にとって、その中核となるのはやはり「自立活動」の充実です。アンケートでも「ICF(国際生活機能分類)との関連」や「PDCAサイクルのスパン」について熱心な記述がありました。

 自立活動を、単なる「訓練」ではなく、子どもの「一生の資質・能力」に繋げるための視点を整理します。

1 「三つの柱」を自立活動に落とし込む

次期改定でも重視される「資質・能力の三つの柱」を、自立活動の文脈で捉え直してみましょう。

・知識及び技能:自分の障害の状態を理解し、どのような補助具や手立て(合理的配慮の要求を含む)が必要かを知っていること。

・思考力、判断力、表現力等:直面した困難に対して、「どうすれば解決できるか」を考え、他者に助けを求めたり、方法を調整したりできること。

・学びに向かう力、人間性等:失敗しても「次はこうしよう」と思える自己肯定感や、自立への意欲を持つこと。

2 「社会モデル」は医療モデルを内包したもの

アンケートに「ICFと自立活動の関連」という意見がありました。自立活動の目標設定において、ICFの視点は欠かせません。

・医療モデル:「歩けないから、歩けるように訓練する(身体機能の改善)」

・社会モデル(ICFの視点):「歩きにくくても、車いすや環境調整を使って、みんなと一緒に活動に参加できる(活動と参加)」

自立活動の目標を「機能の回復」だけに置くのではなく、その先の「社会の中で何ができるようになるか(参加)」に置くこと。これが、次期指導要領が求める「社会に開かれた教育課程」の第一歩です。

3 「自立活動の流れ図」を形骸化させない

「短時間で設定できる方法」を求める声もありましたが、大切なのは「書く作業」の速さではなく、「仮説の精度」です。

・実態把握(なぜできないのか?):身体的な要因か、感覚的な要因か、それとも環境の要因か。

・指導目標(どうなりたいのか?):1年後の姿だけでなく、18歳(卒業時)の姿から逆算できているか。

・手立て(何をするか?):学校の授業だけでなく、家庭や地域でも「般化」できる再現性のある手立てか。

 4 合理的配慮と「合意形成」のプロセス

次期指導要領では、合理的配慮の提供がより具体的に求められます。自立活動で身に付けた力が、そのまま「合理的配慮を自分で求める力(セルフアドボカシー)」へと繋がっていく。この一貫性が、個別の指導計画の質を高めます。

【自立活動の「PDCA」を活性化させる問い掛け】

・「その目標が達成されたとき、その子の『暮らし』はどう豊かになりますか?」

・「学校での特別な指導(自立活動)で学んだ内容をそれ以外の時間で使えていますか?」

・「この目標設定に、本人や保護者の『願い』はどれくらい反映されていますか?」

  自立活動は、私たち教師の専門性が最も発揮される領域です。「流れ図」を埋めることが目的にならないよう、常に「子どもの未来の姿」を職員室で語り合っていきましょう。

#48 明日から使える保護者への「般化」提案フレーズ(令和8年3月16日)

・「学校ではこの環境(写真等を見せる)で成功しています。ご家庭(学園)のこの場面なら、同じようにできそうでしょうか?」

・「お忙しい中で無理をさせては本末転倒ですので、まずは〇〇の場面だけ『見守る』ことから始めてみませんか?」

・「学校でのやり方を、ご家庭(学園)でもやりやすい形にアレンジしてみました。一度試して、難しければまた一緒に考えましょう。」

「般化」の成功は、教師の指導力だけでなく、保護者との「信頼関係の太さ」で決まります。共に悩み、共に喜ぶパートナーとして、歩みを揃えていきましょう。

#47「学校でできた!」を「家でもできた!」へ繋ぐために(令和8年3月9日)

~家庭への般化を、子どもの『一生の力』にする視点~②

2 「家庭の事情」を情報の中心に据える

アンケートには「家庭=施設の場合の般化」についての悩みもありました。家庭環境は千差万別です。学校の理想を押し付けるのではなく、「その家(施設)のルーティン」に私たちが歩み寄る必要があります。

・「何ならできそうですか?」と問う: 「これをやってください」という依頼ではなく、「今の生活の中で、無理なく組み込めるタイミングはありますか?」と、生活の質(QOL)を壊さない提案を心掛けましょう。

・般化の優先順位を決める: 全てを家でやるのは不可能です。「これだけは一生の自立に繋がる」という一点(例:着替えの最後だけ自分でやる、など)を保護者と合意することが大切です。

 3 PDCAサイクルのスパンを「18歳」に合わせる

アンケートで「18歳での社会参加に対してPDCAのスパンが長い」という鋭い指摘がありました。単年度の計画で終わらせず、数年先を見越した「般化のロードマップ」を保護者と共有しましょう。

長い目で見守る:今すぐ家でできなくても、「今は学校で確実に成功する時期。来年にはこれを家で試しましょう」という見通しを伝えることが、保護者の安心感(心理的安全)に繋がります。

#46「学校でできた!」を「家でもできた!」へ繋ぐために(令和8年3月2日)

 ~家庭への般化を、子どもの『一生の力』にする視点~

2学期のアンケートで、「家庭への般化」についての記事に多くの「なるほど!」をいただきました。特に卒業を控えた高等部だけでなく、全ての学部において「学校という特別な環境での成功」を「日常の暮らし」へどう移し替えるかは、私たちの最も重要な使命の一つです。#25、26と合わせてお読みください。

今回は、保護者と私たちが「同じ方向」を向くための3つのヒントを整理します。

1 「学校は練習、家庭は本番」という視点

学校は、環境が整えられた「特別な練習場」です。スモールステップで成功体験を積むには最適ですが、そこでの成功がゴールではありません。

環境の差を認める: 学校でできることが家でできない時、それは「甘え」ではなく「環境(構造化や人的支援)が違うから」です。

家庭での『再現性』を考える: 指導計画を立てる際、「これは家のリビング(施設)でもできる方法か?」「お母さん・おばあちゃん、施設職員でも無理なくできる手立てか?」を常に自問自答してみましょう。(次回へ続く)