知的障がいや自閉症のある方は、一般的にある場所で身に付けた知識や技能等を別の場所で発揮することが難しいことがあります。
例えば、学校の係活動として洗濯物をたたむことに取り組んでいる子どもがいると思いますが、家庭に般化することのできる取組になっているでしょうか。
私は教員時代、学校研究の一環として、全家庭に担任が訪問し、家庭で行えるお手伝いを指導することに取り組んだことがあります。
その時驚いたのが(ある意味当然ですが)、「タオルをたたむこと」1つをとっても、端と端を合わせて文字通りタオルをたたむ家庭もあれば、1回たたんでタオルをまるめるなど、家庭ごとにその方法が異なるということです。
学校で取り組んでいる方法を家庭に押し付けても、迷惑を掛けてしまうこともあります(実際に「このたたみ方は困る!」と怒られたこともあります)。
学校での成果を家庭につなげるためには、懇談などの機会を通じて、あらかじめ家庭でのやり方や好みを聞いて指導を行うことが早道のように思います。
昨日の校内研究で話した内容です
今年度春の職員会議で中学部2年生が七飯中学校の体育大会に参加した映像を見てもらいました。そして、今は学校祭の参加に向けて取組を進めています。春と秋で何が違うか。
正直、体育大会の時は、体育で目標を立てて、出向きましたが交流することがメインとなっていました。しかし、学校祭に向けては、単元計画を作成するなど、教科のねらいを達成する共同学習へと変容しています。セブンライスにも記載しましたが、単元を見通した上で、どのような力を付けていくか、どのタイミングで映像を見合うなどの間接交流と学校祭本番の直接交流を行うか。中学校音楽との学びの連続性を意識するなど、交流及び共同学習を行うことを目的とせず、生徒の学びを促すための手段としていることが、今年度の中2学年団の大きな成果だと考えています。
先日中2の先生とこうした成果を共有した上で、ある先生に、音楽で単元を見通した指導ができたわけですから、例えば作業学習など他の授業でもできないの?といったやりとりをしましたが、今年度の重点のひとつに掲げている「根拠に基づいた授業づくり」を全ての学部、学級で目指してほしいと考えています。
現中2の昨年度と今年度の取組を振り返ると、1年生の時は交流中心、2年生で共同学習中心で整理することができると思うが、じゃあこの成果をどうするか。
具体的には
・中学部としてどうしていくのか、小学部や高等部はどうしていくのか。
⇒ 「つながり」や「つながる」、「ともに学ぶ」といったキーワードは次年度の学校経営の柱になる可能性があるとも考えています。
是非、各学部や総務、教務等関係分掌で話題にしていただき、次年度の教育課程改善に向けた検討をお願いします。
その際、布施先生の視察報告にもありましたが、高校も含めた町内の学校とビジョン(理念)を共有していくことが重要と考えています。8月に実施した合同研修会で教育大の杉本先生から、PBSの考え方を御教示いただくとともに、行動マトリクスについて提案いただきました。
ビジョンを共有するに当たって、行動マトリクスは効果的なツールになり得ると思いますので、こうしたことについて、研究部を中心に校内研修でまとめ、発信していくことなどを期待しているところです。
最後に、交流及び共同学習に限らず、あらゆる教育活動を行うことを目的にするのではなく、様々な活動や取組を通じて新たな価値を生み出す、新たな価値に基づき次のチャレンジをしていく、そんな好循環を学校全体で目指したいと考えていますので、引き続き先生方の主体的な取組をお願いします。
ティーム・ティーチングを少し工夫するだけで、子どもの成長を促すことができます。ここでは、#02と#14、#15に関連して説明します。
体育で体操する場面や音楽で手遊びなどを指導する場面を観察していると、図右上のような指導体制で子どもの動きを引き出そうとしている様子を見掛けます。この場合、T2の先生がT1の先生と同じ動きをしていても、子どもからは見えないので全く効果がありません。右上で子どもの動作を促すのであれば、T2はT1への注目を促すことと、子どもが適切な動作が行えるよう、身体的プロンプト(介助ではなく、気付きを促す)を出すことなどが求められます。
また、動作はまだぎこちないけれども、みんなの前に立って「お手本になりたい」というモチベーションの高い子どもがいる場合には、図中央のような指導体制でT3の先生がモデルを示して、C1に手掛かりを与えることが有効であり、子ども同士のやりとり機会にもつながります。
さらに、全体指導でT1を注視することが難しい集団や、集中的に技能を高めたい場合には、図下のように複数の先生が前に出て、子どもの動きを引き出した方が活動のねらいに即した指導を行うことができます。
普段何気なく行っているティーム・ティーチングは、とても深い指導方法です。今一度、学級や学年で打ち合わせるなど、チームで子どもたちの成長を促していきましょう。
七飯中学校学校祭の舞台で披露する中学部2年生の音楽(手話歌「翼をください」)の単元が始まりました。ここでは、#01と#02に関わる内容を中心に説明します。
授業は、発声、音に合わせた動き、手話歌・・・と進むのですが、どの活動も活動量が十分に確保されていること、MTの全体への指示が明確で、発問や指示を出すときの声の強弱、テンポも工夫していました。また、STは生徒がMTに注目できるような働き掛けに徹していて集団の授業として理想の形となっていました。
授業を行う上で大切なのは、集団全体に分かりやすい指示や手掛かりを行うこと、十分な学習量を保障することです。その上で個別の配慮を行い、活動の質を高めていくことが基本です。
興味のある先生は中2学年団に相談の上、参観し、この授業の良さを体感してください。
また、本実践のよいところは単元計画を定め、単元初期の授業は「知識・技能」が高まるよう、活動量を十分に確保しています。単元が進むにつれて「思考力・判断力・表現力等」に関わる指導を行うなど、単元をまとまりとして捉え、育成すべき資質・能力を生徒が身に付けられるよう学年の先生方が共通理解を図り、指導を行っていることです。手話歌「翼をください」の題材は毎回取り組んでいますが、授業ごとのねらいに応じて、指導内容が異なるので、生徒も生き生きと活動しています。
その結果、音楽の楽しさを子どもが感じ、授業を重ねるうちに、大きな声で歌唱する生徒や歌に合わせて、大きな動作で手話をする生徒が増えるなど、「知識・技能」「思考力・判断力・表現力等」が高まってきており、今後が楽しみです。
好事例を参考にチームで専門性を高めていくことを期待しています!
なお、個別の指導計画にかかわり、前期の評価や後期の目標を立てている時期だと思います。分校の湯谷教頭が研修で学んだ内容をまとめていますので参考にしてください。
プリント学習に取り組んでいる子どもはたくさんいると思いますが、ただ問題を解くことだけにとどまっていませんか。ここでは#05、#14、#15に関連する本校小学部6年生の取組を紹介します。
当該児童は解が3桁になる足し算に取り組んでいます。1枚のプリントに16問の問題(横に4問、縦に4問)が準備されており、声に出しながら先生と確認しながら取り組んでいて、筆算の要領がつかめてきたところで、1列(4問)の解の中で、「一番大きい数字は?」「一番少ない数字は?」といった発問を行いました。機械的に計算ができる子どもはたくさんいますが、このように算数がもつ面白さ、数量の概念を常に確認しながら、課題に取り組むことは、金銭や買い物、時刻と時間の学習にもつながります。
また、計算と数の大小概念を確認した後、声を出さずに計算することに取り組みました。頭の中で計算し、答えを出すことは一見簡単そうに見えて、実は難しいことです。当該児童は、求められていることをすぐに理解し、実行していました。その結果、声に出していたときと比べると、明らかに計算の速度が上がりました。「声に出さずに計算できる=頭の中で数を操作できている」ということですから、国語でも黙読できる可能性が高く読解や出来事を思い出しながら日記を書くことにも成長が期待できます。
手続きをコロコロ変えると混乱する子どもは混乱しますが、手続きが定着したら、一つの教材で多様な関わり方を試し、子どもの可能性を探っていくことにチャレンジしてみてください。
令和8年度の七飯養護学校では「子どもを真ん中に」を合言葉に、保護者や地域の皆様と共に歩む学校づくりを進めてまいります。
学校経営方針を具体化するため、教職員のプロジェクトチームを中心に本年度の教育活動のグランドデザインを策定しました。