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SEVEN☆RICE~ぼちぼちいこか

#13 知的障がい特別支援学校の教諭の専門性=知的障がいのある子どもたちのための学  習指導要領を理解し、実践していること(令和7年7月2日)

※6月の本校職員会議でお話した内容です

・ 従前までの学習指導要領と異なり、現行の学習指導要領は小・中・高校との教育課程の 連続性が重視されていること。

・ 教科等の目標は小学部では3段階、中学部では2段階、高等部では2段階で示されてお り、学習指導要領に定められた目標に準拠した評価が求められていること

・ 単元や題材など内容や時間のまとまりを見通しながら評価の場面や方法を工夫する必要 があること

などをしっかりと抑えておく必要があります。

 

 そのため、個別の指導計画を作成するに当たって、教科等の目標として読み取れないものや目標を具体的に示すことは重要ですが、限定的になっているものについては注意が必要です。

  また、本校では日常生活の指導、生活単元学習、作業学習を実施していますが、個別の指導計画の目標をみると、知識・技能に偏りが見られます(#06、07、08参照)。

 生活単元学習では目標意識や課題意識、課題解決への意欲を育む活動であることや、作業学習では活動の意義や価値に触れ、喜びや感性の成就感を得ることなど、学習指導要領の解説(小中はP31、高等部P33)に各教科等を合わせた指導の特徴と留意点が示されています。

 今年度の重点(グランドデザイン)にも「根拠に基づいた授業づくり」を位置付けています。是非この機会に学習指導要領の解説を見開き、御自身が書いた個別の指導計画の目標や日々の授業を検証し、今後の指導に役立ててほしいと考えています。 

#12 特別支援学校教諭の専門性=自立活動の指導を理解し、実践していること (令和7年7月1日)

※6月の本校職員会議でお話した内容です

 障がいのある子どもが育成を目指す資質能力を身に付ける上で、自立活動は土台となるものであること、子どもを主語とした領域であることを抑えていく必要があります。

・指導内容ありきではなく、子どもの実態に応じて具体的な指導内容を設定する必要があ ること。

・6区分27項目全てを教える必要はなく(項目によっては特定の障がいに種に特化して います)、必要な区分・項目を組み合わせて指導する必要があること

 などを熟知しておく必要があります。

 

 例えば、本校の児童生徒の個別の指導計画(自立活動)の目標を見ていると、「絵カードを使って教師に要求を伝える」といった目標があります。

 中心となる自立活動の区分・項目はコミュニケーションとなりがちですが、必ずしもそうならない場合があります。

 このときのポイントは「絵カードを使って要求を伝える」上での実態をしっかり捉えることです。

・「人への意識を高めたい」ということであれば人間関係の形成

・「要求と絵カードを一致させる」ということであれば環境の把握

・「初歩的なコミュニケーション」ということであれば、コミュニケーション

となります。

 

 このように一人一人の実態を丁寧に捉えたうえで指導を行うのが自立活動であり、「子ども一人一人の教育的ニーズを把握し、その持てる力を高め、生活や学習上の困難を改善又は克服するため、適切な指導及び必要な支援を行う」という特別支援教育の理念につながっています。

 

 なお、本校の児童生徒の自立活動の目標を見ると、コミュニケーションの項目を挙げているケースが多くありますが、自立活動の解説を読み込むと、コミュニケーションの項目は発達順に(1)~(5)が示されており、中でも(3)や(4)は視覚障がいや聴覚障がいの子どもがメインになっていることが分かります。

 

 今年度の重点(グランドデザイン)にも「根拠に基づいた授業づくり」を位置付けています。是非この機会に自立活動の解説を見開き、御自身が書いた個別の指導計画の目標を検証し、今後の指導に役立ててほしいと考えています。

 

#11 教材のもつ意味を考える②(令和7年6月30日)

 図工や美術の時間に「枠からはみ出さずに色を塗る」ことに取り組んでいる場面を見掛けます。この課題を達成するには、手指の巧緻性や認知面など、様々な条件が必要となりますが、枠をはみ出さずに色を塗れる子どもと、はみ出してしまう子どもでは、社会性の育ちに大きな違いがあります。

  同様に、課題学習等で行っている色と形のマトリクス課題。一般的な発達は①色の分別、②形の分別、③色と形の弁別と進みますが、③ができるようになると、2つの条件を理解していることになりますので、状況を見る力(社会性)育ってきているということになります。

 2つの例を示しましたが、こうした課題に取り組む上でも#05の指差し対応弁別は指示に従う(社会性を伸ばす)重要な課題です。

 社会性を伸ばしたい子どもはたくさんいると思いますが、年齢が低いうちに認知発達を促していくことが結果的には早道なのかもしれません。

 こうした日常の学習を通してアセスメントしていくことも大切だと考えています。

色と形のマトリクス

#10 教材のもつ意味を考える①(令和7年6月23日)

 先生との個別指導で、いわゆるジグソーパズルを行っている場面をよく見掛けます。先生が自作した教材で4ピースや6ピースなど、工夫されているものもあれば、20~30ピース程度ある市販のパズルを使っている場合もあります。

 ジグソーパズルは、完成したときの絵のイメージを、もてていなくても、ピースの形が分かれば完成させることができるという特徴があります。

 完成したときのイメージを、もてている子どもは、子どもなりに考えて、ピースをはめていきますが、そうでない子どもは#05の②で触れた対応弁別が困難な状態で、手当たり次第にピースを置いたり、端から順に置こうとしたりします。

 ジグソーパズルを使って認知を伸ばすのは経験上6ピース程度の教材を使い、子どもが、完成形をイメージしながら課題に取り組むことが大切と考えます(20~30ピースのものは一定時間集中して取り組む力は求められますが、認知を伸ばすことにはあまりつながらず、余暇として取り上げた方が良いのかもしれません)。

 6ピース程度のジグソーパズルができたら、どうするか。切片パズルに取り組むことが考えられます。

 ジグソーパズルは形を見て課題を遂行しますが、切片パズルは線と絵全体を見ながら課題を遂行しなければならず、ここにも発達的に大きな意味があります。

 6~8ピース程度の切片パズルが安定的にできるようになると、線(細部)を見極める力やイメージする力、概念が身に付いてきていますので、文字学習への発展が期待できます。

#09「見通し」は2とおりあります。②(令和7年6月18日)

 #8で「単元の見通し」について触れましたが、ある学校でのエピソードを紹介します。

 A校では高等部祭で販売するお皿づくりに励んでいました。生徒が私に学習内容を説明してくれたので、私は「そのお皿いくらで売るの?」と聞きました。すると、その生徒は「分からないので先生に聞いてくる」と言って先生のところへ行きました。戻ってくると、その生徒は私に「200円です」と教えてくれました。私はさらにその生徒に「それって高いの?安いの?」と聞きましたがその生徒は困っていました。さらに私の質問は続きます。「粘土1㎏の値段は?」粘土1㎏からお皿何枚作れるの?」「釉薬はいくらするの?」生徒が困ると思ってした質問のはずが、生徒の顔が輝き始めました。そして最後の質問は「最低賃金はいくらなの?」。すると、生徒はそれぞれに「安い」「高い」などと自分の意見を言い始めました(これらの質問は思い付きではなく、特別支援学校学習指導要領解説 知的障害者教科等編(下)P253,イ 工業の基礎に基づいています)。

 B校では秋晴れの日に作業学習で窓拭きをしていました。私が「今日は天気がいいので窓拭きもはかどるね」と生徒に言ったところ、その生徒からは、「天気が良すぎる日は窓拭きに適していません」と返ってきました。私は「どうして?」と聞くと、その生徒は「窓がすぐに乾くからです」と言いました。

 A校とB校との違いはどこにあるか。一言で言うと「教え方」です。皿をつくるという活動そのものしか教えていないA校(#04で触れた未学習、不足学習とも言えます)に対し、B校は活動がもつ本質的なことを丁寧に繰り返し教えた結果、生徒が体験や実感に基づいて表現できていると言えます。

 生徒のもつ能力や可能性を高めるには、先生方がチームになり、単元を見通した指導が効果的といえます。