① その活動の見通しです。
例えば音楽の時間に、「はじめのあいさつ」「歌を3回歌う」「楽器を演奏」「終わりのあいさつ」というように、この時間の流れを示す見通しです。本校のみならず、各校でイラストや文字などを使って伝えています。
② 単元の見通しです。
例えば、単元のはじめに「学習に取り組む必然性」や単元が終わったときに、「何ができるようになるか」を子ども自身が理解するための見通しです。
①は知的障がいや自閉症のある子どもへのエチケットとして、浸透していますが、①に終始すると、活動することが目的になり、評価をするときに困ります。
②はどうでしょう。①に比べるとハードルが高いように思います(本来身に付けるべき、教科等の内容を意識する必要がありそうです)。
子どもの実態から単元の見通しを伝える難しさはあると思いますが、①に偏ってしまうと単元を見通す学習を経験しなかったり、不足したりする(#04参照)可能性もあります。
繰り返しの学習を得意とする子どもが多く在籍しています。単元を見通して、どのような力を身に付けさせたいか、この授業で何をねらうのかを明確にした上で、子どもに丁寧に働き掛けていくことが大切と考えています。
「授業改善」と聞いて、それぞれの先生がイメージする事柄はそれぞれに異なると思います。ティーム・ティーチングで指導することが多い特別支援学校では先生方のイメージを共有することから授業改善は始まります。
授業改善は目的ではなく、手段であり、目指すべき方向性は学校教育目標を達成することにあります。学校教育目標では漠然としすぎていると感じる場合には、今年度の重点「チームで、より子どもたちのためになる・・・」や学部の目標、学級経営目標に基づき授業改善を行うことになります。
次にどの授業を改善するかですが、1週間に1度しかない授業を改善することは成果も見えにくく、すごく難しいと思います。毎日行っている授業であれば週に5回改善を行うことができます。
本校・分校とも総授業時数における「指導の形態」の割合を見ると、日常生活の指導が最も多いことが分かります。
集団の指導であれば、朝の会や帰りの会ということになりますが、朝の会等はパターン化されている場合がほとんどで、授業改善の対象となっていないように感じることも少なくなく、もったいないと感じることがあります。
朝の会等の構成を分析すると、学習の基盤となる資質・能力(言語能力、情報活用能力、問題発見・解決能力)が多く含まれています。
こうした資質・能力と学校教育目標等をリンクさせながら授業改善を行い、他の指導形態の授業改善につなげていくことは、「教科等横断的な指導」につながるだけでなく、断片的に学ぶことが多い知的障がいのある子どもの学習上の特性に合致した指導と言えます。
こうしたプロセスを共有した上で、これまで当たり前に行っていた授業をチームで見直して行くことが授業改善への第一歩なのかもしれません。
個別の指導計画は、個々の児童の実態に応じて 適切な指導を行うために学校で作成されるものです。
教育課程は、学校教育の目的や目標を達成するために、教育の内容を児童生徒の心身の発達の状況に応じ、授業時数との関連において総合的に組織した学校の教育計画です。
この2つをつなげて考えることがとても重要です。
「個別の指導計画の教科等の目標を見て教育課程をイメージできるものになっているか、どうか」ということです。
例えば、本校の小学部1年生は年間の総時数944時間を計画しており、日常生活の指導604時間、生活単元学習34時間などとなっています。さらに掘り下げると、日常生活の指導の604時間でどういった指導内容を取り上げているか、日生で取り上げる複数の指導内容の割合はどうなっているか、そしてそれらに基づき、個別の指導計画が作成されているかどうかがポイントになります。
本校・分校とも2期制で目標を立て、評価をしていることから、半年間を見通した目標を立てることも大切になると思います。
個別の指導計画を作成するときに、しっくりこない場合は、
・教科等の年間指導計画(配当時数や指導内容)が児童生徒の実態に合っていない
・個の実態を注視しすぎるあまり、学習指導要領で示されている教科等の目標や内容と乖離している
ことなどが考えられます。
この時期に改めて、個別の指導計画や学部の教育課程(年間指導計画)を点検してみてください。
個別指導の場面でよく見掛ける型はめなどを使った弁別課題は手続きを変えることで、活動のねらいが変わります。ここでは、淑徳大学の宇佐川先生の理論を用いて代表的な3つの弁別を紹介します。
本校に限らず、他校での授業を見ていると①が圧倒的に多いと感じますが、①ができたら②、③へとステップすることが必要です。
また、①ばかり行っていると、#04で述べた過剰学習や誤学習につながる可能性があるため注意が必要です。
下図では〇△□の型はめを例に説明していますが、様々な場面でこの考え方は生かせると考えています。
子どもの発達の状態や障がいの特性などをアセスメントし、学習内容(目標)を設定していると思いますが、中には、「できそうなのにできない子」や「できていたのにできなくなっている子」がいます。
① 未学習:これまで経験したことのない状態
② 不足学習:経験したことはあるが、十分ではない状態
③ 過剰学習:同じ学習を繰り返し過ぎたことにより、強固になっている(融通が効かない)
④ 誤学習:自分にとって都合の良い方法をとろうとする
このうち、①②に当てはまる場合には、#01で示した十分な学習量を保障することが大切になります。なぜ「できない」のかを評価し、アプローチの仕方をチームで検討することが重要と考えます。
9月の地域参観日に参加いただいた皆様、ありがとうございました。
令和8年度の七飯養護学校では「子どもを真ん中に」を合言葉に、保護者や地域の皆様と共に歩む学校づくりを進めてまいります。
学校経営方針を具体化するため、教職員のプロジェクトチームを中心に本年度の教育活動のグランドデザインを策定しました。