先日の学校評価と職員会議では、「児童生徒一人ひとりの人権を尊重し、自己肯定感を高める指導」を教育の柱として再確認しました。子どもたちが「自分は大切にされている」「自分には良いところがある」と実感できる環境づくりの一環として、学校生活における「さん付け」呼称を徹底します。
なぜ今、「さん付け」なのか。
1 「尊重」を形にする第一歩
子どもたちを一人の人間として尊重し、敬意を払う。これは人権配慮の基本です。 日常の何気ない呼び方から見直すことで、教職員と子どもたち、あるいは子ども同士の間にも、温かく、適切な距離感のある礼儀正しい関係性を築いていきたいと考えています。教師は子どもたちのモデルです。子どもの前で教師間が声を掛け合うときは「先生」と呼ぶことも同様です。
2 「褒める言葉」を真ん中に置くために
私たちは、指導の原則を「指示・命令」から「承認・称賛」へとシフトしていきます。 「〇〇しなさい」と先回りするのではなく、子どもが自ら気付いて行動するのを待ち、その過程や努力を「さん」と呼んで丁寧に認める。そんな「褒める言葉」が溢れる学校を目指します。
3 社会へのつながりと「自己肯定感」
学校は、子どもたちが社会へと羽ばたく準備をする場所です。 相手を尊重する呼び方を習慣化することは、将来の社会生活における基盤となります。自分の名前が丁寧に呼ばれる経験の積み重ねは、「自分は認められている」という自己肯定感に直結し、それが得意なことを伸ばすエネルギーに変わっていきます。(次回へ続く)
◇ できる状況づくりについて
・全体への分かりやすい指示、十分な学習量が保たれている(待たされている生徒がいない!)。また、一つの曲を題材に様々な角度からアプローチし、目標に迫る指導は知的障がいのある生徒の学習上の特性を踏まえると効果的であり、「活動の質」を高める上で、多くの教員が参考になる。
・「そう!」「きれい」「すてき」「ばっちり」などポジティブな言葉のオンパレードは、子どもたちのモチベーションアップにつながる。
・MTのポジショニングは生徒全員を見渡せる位置が理想。10名ほどの生徒を横一列に着席させるなら、1メートルほど距離をとるか、扇形に座らせた方がよい。
◇ 指導・支援の在り方について
・授業の終末で、MT教師が振り返りの見本を示したことにより、生徒の発言も目標に関連した振り返りになっていた。Aさん「元気よく」Bさん「静かに」Cさん「楽しく」などの発言は、和音Ⅰ、Ⅳ、Ⅴのキーワードであり、本時の目標を達成した根拠になるのではないか。
・STからの振り返りも、本時の目標を取り上げながら、生徒の具体的な姿を評価していて素晴らしいと思った。
◇ 学びの連続・般化
・単元計画を立案することの大切さを感じた。
・活動内容に惑わされず、指導内容を突き詰めていくことの大切さを感じた。
・子ども自身が楽しいと思う授業が増えることが、余暇や家庭生活の充実につながる。
#17でも触れましたが、全国の現状から次のようなことが課題として示されています。
【学校経営・授業改善では】
・障害の「社会モデル」の考え方も踏まえた学校経営や授業づくりが特別支援学校にも求められているが、全ての教師に考え方が浸透しているかどうかについては課題がある
・障害により生じる困難さに対応しつつ、子供たちの資質・能力を育成するための授業づくり、各教科等の主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善は、多くの特別支援学校において道半ばの状況
【自立活動では】
・自立活動の時間の指導と各教科等の指導の関連付けや、自立活動に係る実態把握から指導目標・内容の設定までのプロセスや考え方の浸透が不十分
・教師主導型の自立活動の改善も課題
【知的障がいの各教科】
・小・中・高の学びとの連続性の確保を図りつつ、知的障害の特性や発達の段階等を踏まえた対応が必要
本校・分校とも学校評価や年度末反省の時期を迎えました。「チームで子どもたちのために」こうした視点も含めて検討してほしいと考えています。
今年度の重点のひとつに、「保護者や地域と直接の関わりによる、子どもたちの学びの機会を広げ、感謝を伝え合う教育活動の推進」があります。
本校高等部では、学校運営協議会での御意見を踏まえ、地域食堂や沖縄民謡など、地域の方との連携に基づいた教育活動が充実してきています。
この取組の良いところは、活動の振り返りが充実していることです。活動をやって終わりではなく、地域の人から(感謝や激励の)メッセージをもらったり、生徒がお礼を書いたりするなど、感謝を伝え合う活動になっています。
この方法はさらに進化し、高等部祭の時には、保護者や地域の方の感想を動画に撮って事後学習に用いるほか、小学部や中学部の学習発表会でも同様の取組を行っています。文字を見て分かる子どももいれば、映像を見れば分かる子もいて、個別最適な学び(指導の個別化)が図られています。
#27でも触れましたが、多様な人から多様な方法で称賛されることで、子どもの自己肯定感は高まります。#34を充実させる上で、伝えたいというマインドが育ち、書いたり、話したりすることへの意味付けが出てきます。
知的障がいのある子どもの学習上の特性に配慮した、生活に結びついた内容であること、繰り返しの学習であることなど、本事例から多くのことを学ぶことができます。掲示物などを使って子どもと関わり、言語能力が高まることを期待しています。
言語活動の充実を図る上で、大切なことは、その前提となる言語環境を整えることです。 学校生活全体における言語環境の整備としては、例えば、教師との関わりに関係することとして
①教師は正しい言葉で話し、黒板などに正確で丁寧な文字を書くこと
②校内の掲示板やポスター、児童生徒に配布する印刷物において用語や文字を適正に使用すること
③適切な言葉を使って簡潔に分かりやすく話すこと
④より適切な話し言葉や文字が用いられている教材を使用すること
⑤教師と児童生徒、児童生徒相互の話し言葉が適切に行われるような状況をつくること
⑥児童生徒が集団の中で安心して話ができるような教師と児童生徒、児童生徒相互の好ましい人間関係を築くことなどに留意する必要があります。
本校・分校とも学習発表会に合わせて、②校内掲示なども充実しています。掲示物を使って⑤や⑥などに取り組み、言語活動が充実することを期待しています。
9月の地域参観日に参加いただいた皆様、ありがとうございました。
令和8年度の七飯養護学校では「子どもを真ん中に」を合言葉に、保護者や地域の皆様と共に歩む学校づくりを進めてまいります。
学校経営方針を具体化するため、教職員のプロジェクトチームを中心に本年度の教育活動のグランドデザインを策定しました。